JAL NEO BANKプレミアムの年会費は5,500円。
入る前に一番気になるのは、やはりこの会費が高いのか安いのかという点です。
「マイルが多く貯まる」と言われても、実際にどれくらい預ければ元が取れるのか。
普通預金に何百万円も置かないと意味がないのか。
それとも、もっと少ない金額でも回収できるのか。
このあたりは数字だけでは見えにくく、実際に使う前提で考えないと判断が難しいところです。
今回は、JAL NEO BANKプレミアムの損益分岐点を、かなり現実的な使い方で考えてみました。
結論から言うと、JALマイルを「どこかにマイル」で使う前提なら、外貨普通預金50万円相当で年一回のどこかに飛ばされる旅行を楽しむことができる、という構造が見えてきました。
目次
JAL NEO BANKプレミアムとは?
JAL NEO BANKプレミアムは、年会費5,500円を支払うことで、円普通預金や外貨普通預金の残高に応じて通常より多くJALマイルが貯まるサービスです。
プレミアムに加入すると、通常の普通預金マイルが2倍になり、さらに半期ボーナスマイルやJAL Life Statusポイントも加算されます。
ここで重要なのは、このサービスは単なる預金サービスではなく、金利の代わりにマイルが付与され、それを旅行という形で回収する仕組みと考えると納得感があるという点です。
つまり、現金の利息ではなく、「旅」という形でリターンが返ってくると考えると違った見え方になると感じました。
「これ、本当にお得なのか?」という違和感
公式のモデルケースとして紹介されているのは、円普通預金100万円+外貨普通預金25万円を1年間口座に置いておくと5,040マイル貯まるというものです。

JAL NEOBANK プレミアム特典イメージ(JAL HP抜粋)
ただ、この数字だけを見ると正直なところ「うーん…」という印象になります。
すでに年会費5,500円を支払っているわけで、1マイルを1円〜1.5円で評価すると損もしていないけれど得もしていないように見えてしまいます。
これでは「だったら5,500円で普通に旅行した方がいいのでは?」と感じてしまうのも自然です。
マイルを“年利”として考えてみる
ここで一度、マイルを年利として見てみます。
1マイルはeJALポイントで1.5円、JAL Payなどで使うと1円程度と考えると、年間獲得マイルを利回りとして評価すると次のようになります。(注:年会費は考慮せず)
|
パターン |
預入額 |
年間マイル |
1.5円換算 |
|
円100万円+外貨25万円 |
125万円 |
5,040マイル |
約0.60% |
|
外貨25万円のみ |
25万円 |
3,600マイル |
約2.16% |
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外貨50万円のみ |
50万円 |
7,200マイル |
約2.16% |
|
円普通預金100万円のみ |
100万円 |
1,440マイル |
約0.22% |
円100万円+外貨25万円では約0.6%、外貨25万円単体では約2.16%、外貨50万円でも同程度、円普通預金だけだと0.22%程度という水準です。
数字だけ見ると「銀行としては普通」という印象ですが、ここで重要なのは外貨部分の効率が明らかに高いという点です。
つまり、このサービスの本体は円預金ではなく外貨預金にあると言えます。
「どこかにマイル」を前提にすると見え方が変わる
JALは「どこかにマイル」というユニークなサービスを提供しています。
どこかにマイルは、
・7,000マイルで国内線往復航空券
・行き先は4候補からランダム決定
・出発の約1ヶ月前から予約可能(直前利用が基本)
という仕組みです。
つまり、行き先を選べない代わりに、少ないマイルで航空券が手に入るという設計です。
裏を返せば、航空会社としては空席を埋めるための施策ですが、利用者側からすると「自由度を下げる代わりにマイル効率を最大化する仕組み」と言えます。このランダム性を楽しめるかどうかが、このサービスの価値を大きく左右します。
候補は4つ示されますが、申し込みボタンを押すとその中の一つに本当にどこかに飛ばされます(笑)
どうしても行きたいところに行きたい!という人には不向きなサービスです。
実際に使ってみた体験(札幌が当たった話)
ちなみに筆者は、JALモバイルを契約していて、年1回、1,500マイルでどこかにマイルが使えるクーポンをもらっています。
これを使って、今年の4月に実際にどこかにマイルを使ってみました。
提示された候補は、”札幌” ”旭川” ”帯広” ”高松”。
正直、 「高松はちょっと困るな…」と思いながら応募(笑)
結果は… まさかの札幌当選。
当選したときはこれはかなりラッキーだと感じました。
行ってから気づいた「実は大当たり」だった理由
現地でわかったのですが、3月下旬〜GW前の北海道は一年の中でもかなりのオフシーズンとのことでした。(某寿司屋の板さん談)。
実際どうだったかというと、
サッポロビール園 → 200〜300人並ぶのが普通の場所も人いない
ビール工場ツアー → 参加者3人で工場見学
ニッカウヰスキー余市蒸溜所 → 普段は取れない見学が余裕
小樽の有名な寿司屋 → 待ち時間ゼロ(笑)
小樽のすし屋の板さん曰く、 「GWからは一気に混んで、1時間待ちは普通」とのこと。
つまり、普通なら混みまくる札幌・小樽を、ほぼ無人状態で楽しめたということになります。
よく考えれば、、飛行機がガラガラで”どこかでマイル”が使えたということはその到着地もオフシーズンでガラガラだということ(笑)
ホテル代も札幌は高騰しているという話を聞きますが、今回はそうでもなく割とリーズナブル。
小樽もホテルはいつも高くて避けていましたが今回は普通に宿泊できて混み合うことなうゆっくり過ごすことができました。
つまり、「飛行機が空いている=現地も空いている」という構造が成立していたわけです。
結果的に、混雑を避けて非常に快適な旅行ができました。
そうか、”どこかでマイル”で行けるということはこういうことかと後から気が付きました。
”どこかにマイル”は“楽しめるかどうか”がすべて
この体験から思うのは、どこかにマイルは旅行をコントロールするものではなく、偶然を楽しむ仕組みだということです。
行き先は選べず、タイミングもある程度制限されますが、その代わりに自分では選ばなかった場所に行く機会が生まれます。
そして、その場所は比較的空いている可能性が高いというメリットもあります。
このスタイルを楽しめる人にとっては非常に魅力的ですが、行き先を厳密に決めたい人には向いていません。
「どこかにマイル」の現実的な価値
このどこかにマイルを金額換算するとどんな感じかといえば、ざっくりですが、例えば羽田発で考えると、ざっくりこういうイメージです。
約2万円相当(控えめケース)
”松山” ”高松” ”広島”
オフシーズンやセール運賃に近い価格帯。
「安く取ればこのくらい」のライン。
約3万円相当(標準ケース)
”福岡 ””札幌”
通常時の往復運賃としてよくある水準。
ここが一番現実的な基準です。
4万円〜5万円以上(大当たりケース)
”那覇””石垣”
繁忙期や直前予約だとこの水準。
ここが当たると一気にお得感が跳ね上がります。
どこかにマイルを使う前提の旅行価値ベースの実質利回りは?
今回検討した年会費5500円ですが、金額換算の利回りというより旅行価値ベースの利回りを考えた方がよさそうです。
”どこかにマイル”を使って標準的な約3万円相当の航空券を手に入れたとした場合の架空の利回りを計算してみると、、
|
パターン |
年間マイル |
3万円旅行換算の価値 |
年会費控除後 |
実質利回り |
|
円100万円+外貨25万円 |
5,040 |
約21,600円 |
約16,100円 |
約1.29% |
|
外貨25万円のみ |
3,600 |
約15,400円 |
約9,900円 |
約3.96% |
|
外貨50万円のみ |
7,200 |
約30,900円 |
約25,400円 |
約5.08% |
|
円普通預金100万円のみ |
1,440 |
約6,200円 |
約700円 |
約0.07% |
「3万円旅行換算の価値」とは、どこかにマイルで取得できる往復航空券を3万円相当と仮定してマイルを金額換算したものです。
3万円の航空券を7,000マイルで取得できるとすると、1マイルあたりの価値は約4.29円になります。
これをもとに年間獲得マイルを金額換算すると、外貨50万円の場合は約30,900円相当となり、年会費を差し引いても約25,400円の価値が残ります。これは利回りにすると約5%という水準になります。
このように、現金ベースではなく旅行価値ベースで見ると、外貨預金の効率の高さが際立ちます。
外貨50万円普通預金しておくと丁度年間獲得マイルが7200マイルなので”どこかにマイル”を使って年一回どこかに行けます。
外貨25万円普通預金ならば2年に一回どこかに行けます(笑)
逆に日本円の普通預金をいくら積んでも利回りはさほど上がっていきません。
ただし外貨預金は目減りするリスクもあり!
どこかに飛ばされることを許容した場合、HPで示されていた円100万円+外貨25万円よりも外貨50万円のみを預けている方が相当お得のように見えます。
ただし!そんな甘い話はそうそうありません(笑)
外貨預金ですから円換算価値は日々刻刻変わります。
外貨預金はマイル効率が高い一方で、円預金と違い、為替変動の影響を受けます。
公式サイトでも、外国為替相場の変動によって払戻時の円相当額が預入時を下回り、元本割れとなる可能性があると案内されています。
円高になれば預入額の円換算価値は下がり、さらにマイルの判定区分も下がる可能性があります。
つまり、資産と獲得マイルの両方が同時に減るリスクがあるということです。
特に、25万円・50万円ギリギリで運用→ 少しの為替変動で区分ダウンとなるため、余裕をもった金額にするか細かくチェックすることが必要です。
そういった意味でもリスクを十分に理解して価格が下落したときのことを考えることは必要です。
最適なバランスはどこか
こうした前提を踏まえると、外貨25万円は「最低ライン」、外貨50万円は「実用ライン」、さらに為替リスク回避の円預金300万円で年間3600マイル獲得を組み合わせることで年間1万マイルを超え、行き先を自由に選べる特典航空券にも手が届くようになります。
このあたりが現実的な最適バランスなんじゃないかなと考えます。
JAL NEO BANKプレミアムはどんな人に向いている?
今回の計算から考えると、JAL NEO BANKプレミアムが向いているのはこんな人です。
まず、JALマイルを国内線特典航空券やどこかにマイルで使う人。
これはかなり相性が良いです。
特に、どこかにマイルを使って国内旅行を楽しめる人なら、外貨25万円相当でも年会費回収ラインに入ってきます。
次に、外貨普通預金をある程度持ってもよい人。
外貨50万円相当を維持できるなら、年会費5,500円はかなり回収しやすくなります。
そして、JAL Life Statusポイントも少しずつ積み上げたい人。
プレミアムではマイルだけでなく、JAL Life Statusポイントも貯まります。
公式サイトでも、円普通預金100万円・外貨普通預金25万円を1年間維持した場合、未加入時6ポイントに対して、プレミアム加入時は20ポイントになる例が紹介されています。
逆に、JALマイルをあまり使わない人、どこかにマイルに興味がない人、外貨預金の為替リスクを取りたくない人には、少し微妙かもしれません。
まとめ:年会費5,500円は高いのか?
JAL NEO BANKプレミアムの年会費5,500円は、何も考えずに払うと少し高く感じます。
ただ、損益分岐点を計算してみると、意外と見え方が変わりました。
”どこかにマイル”で国内旅行に使うなら、外貨普通預金25万円相当が最低ライン。
ここをクリアすれば、年会費5,500円はかなり回収しやすくなります。
さらに、外貨普通預金50万円相当まで置くと年間7,200マイル。
これは、どこかにマイル1回分に近い水準です。
円普通預金を何百万円も積まなくても、外貨普通預金をうまく使えば、JAL NEO BANKプレミアムは十分に検討する価値があります。
個人的には、
外貨25万円相当:どこかにマイル前提の最低ライン
外貨50万円相当:かなり安心して会費回収できるライン
円300万円+外貨50万円相当:JALマイル獲得プランとしてかなり優秀
という整理になりました。
JALマイルを使って年に1回でも国内旅行をする人なら、JAL NEO BANKプレミアムは単なる有料サービスではなく、旅費をマイルで作るための仕組みとして考えるとその価値が理解しやすくなると感じました。

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