投資信託の積立をクレジットカードで行う「クレカ積立」は、投資をしながらポイントも貯まる便利な仕組みとして注目されています。
ただし実際に複数の証券会社×カードを使ってみると、還元率の数字だけを見て選ぶと“落とし穴”があることも分かりました。
本記事では、私が実際に試したクレカ積立(SBI証券・楽天証券・マネックス証券・ダイワコネクト証券)をもとに、「本当にポイントが付くのか」「運用の自由度はどうか」という観点で、丁寧に整理します。
※あくまで自分の感想です。
目次
今回の比較条件(前提)
- NISA口座は考慮しません(制度が複雑になりやすいため)
- 期間限定キャンペーンは除外(通常時に安定して得られるポイントを重視)
- 基本はゴールドカードを使ったクレカ積立を想定(楽天は通常カードで比較)
- 「還元率」だけでなくポイント付与の安定性を重視
結論だけ先に:おすすめ構成(最終版)
- 最もおすすめ:SBI証券 × 三井住友カード ゴールド
- 年会費無料で安定重視:楽天証券 × 楽天カード(通常)
- 金額を絞れば有効:マネックス証券 × dカード GOLD(5万円まで)
- 避けたい:ダイワコネクト証券 × セゾンカード(カードランク問わず)
ダイワコネクト証券 × セゾンカードで気づいた「重大な注意点」
最も注意が必要だと感じたのが、ダイワコネクト証券とセゾンカードの組み合わせです。
同月内に売却すると、その月のポイントが付かなくなる
クレカ積立をしたあと、同じ月のうちに投資信託を一部でも売却(いわゆる“ちょこちょこ売買”)すると、その月の積立分ポイントが付与されなくなる挙動が確認できました。
公式には書いてあるが、事前に理解しづらい
この仕様は、公式の説明をよく読み込めば理屈としては理解できます。とはいえ、積立・売却・クレカ決済・ポイント判定が複雑に絡み合うため、実際に「ポイントが付かない?」という違和感から気づく人も多いと思います。
制度の意図と、現実の運用が噛み合いにくい
ポイントだけを狙う動きを抑制したい意図は理解できる一方で、相場環境によってはリバランスやファンド入れ替えが必要になる場面もあります。そうした自然な運用行動までポイント面で不利になりやすいのは、クレカ積立としては扱いづらい点だと感じました。
SBI・楽天・マネックスでは「同じ問題」が起きにくい
一方で、SBI証券 × 三井住友カード、楽天証券 × 楽天カード、マネックス証券 × dカードでは、基本的に「積立が成立し、買い付けが行われた事実」に対してポイントが付与されます。
極端な話、同月内に売却やリバランスを行っても、その月の積立ポイントが消えるといった問題は起こりにくい設計です。ここは実運用上かなり重要です。
マネックス証券 × dカード GOLDは「5万円まで」が現実解
マネックス証券 × dカード GOLD は、ポイント付与率の段階があり、月5万円を境に還元効率が下がる点が要注意です。
そのため、ポイント効率を重視するなら、5万円までに抑えて使うのが合理的だと考えています。
比較表①:クレジットカード別(通常 vs ゴールド)
※積立還元率は「通常時の目安」。キャンペーン・NISA条件は含みません。
| クレジットカード | カード種別 | 年会費 | 積立還元率(目安) | ゴールドとの差 | クレカ積立視点での評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三井住友カード | 通常(NL) | 無料 | 約0.5% | ▲0.5% | 制度は安定、還元率は控えめ |
| ゴールド | 有料 | 約1.0% | ― | ゴールド化のメリットが最も分かりやすい | |
| 楽天カード | 通常 | 無料 | 約0.5% | ― | 年会費無料でシンプル、安心感あり |
| ゴールド | 有料 | 約0.75% | +0.25% | 年会費の元が取れるかは利用額次第 | |
| dカード | 通常 | 無料 | 約0.5% | ▲0.5% | 無難だが旨味は控えめ |
| dカード GOLD | 有料 | 約1.0%(〜5万円) | ― | 金額制限込みで“使い方次第” | |
| セゾンカード | 通常 | 無料/有料混在 | 条件次第で0% | ― | ポイント目的では弱い |
| ゴールド | 有料 | 条件次第で0% | 実質差なし | ランクアップしても改善しづらい |
比較表②:証券会社 × クレジットカード(実運用重視)
※「ポイントが安定して付くか」「売却・入れ替えで不利にならないか」を重視した実体験ベースの表です。
| 証券会社 | クレジットカード | 積立還元率(目安) | ポイント付与の安定性 | 制度の分かりやすさ | 実運用での最大の特徴 | 総合評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | 三井住友カード(ゴールド) | 約1.0% | ◎ | ◎ | 積立成立ベースでポイント付与。売却・リバランスでも失効しにくい | ★★★★★ |
| 楽天証券 | 楽天カード(通常) | 約0.5% | ◎ | ◎ | 年会費無料でシンプル。還元率は控えめだが安心設計 | ★★★★☆ |
| マネックス証券 | dカード GOLD | 約1.0%(〜5万円) | △ | ○ | 5万円超で還元率低下。金額コントロール前提で有効 | ★★★☆☆ |
| ダイワコネクト証券 | セゾンカード | 実質0%になる場合あり | × | × | 同月売却でポイント対象外になる挙動があり、運用の自由度が下がる | ★☆☆☆☆ |
クレカ積立で大事なのは「還元率」+「ポイントが消えない設計」
今回の比較で強く感じたのは、クレカ積立は表面上の還元率よりも、実運用でポイントが安定して付くかが重要だということです。
長期投資では、リバランスや商品入れ替えが必要になる場面もあります。そうした行動がポイント面で極端に不利になると、結果としてクレカ積立の魅力が薄れてしまいます。
最終的なおすすめ構成(再掲)
- 最もおすすめ:SBI証券 × 三井住友カード ゴールド
- 年会費無料で安定重視:楽天証券 × 楽天カード(通常)
- 金額を絞れば有効:マネックス証券 × dカード GOLD(5万円まで)
- 避けたい:ダイワコネクト証券 × セゾンカード(カードランク問わず)
まとめ
クレカ積立は、投資とポイント獲得を両立できる優れた仕組みです。ただし、制度の細部を知らずに始めると「積立したのにポイントが付かない」といった事態も起こり得ます。
これから始める方は、還元率の数字だけではなく、「積立成立ベースでポイントが付くか」「運用行動で不利にならないか」という視点で選ぶのがおすすめです。

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