外出先でノートPCの1画面だけだと、資料と作業画面の行ったり来たりで地味に疲れませんか?
そこで今回は、iPadをWindowsのサブモニター化して作業効率を上げる方法を試してみました。
必要なのは基本的にキャプチャーデバイス+ケーブルだけ。
さらにUSB-C(DP Alt Mode)対応PCなら配線もスッキリ。遅延の体感や、iPadに給電しながら使う方法までまとめます。
目次
iPadをWindowsパソコンのサブモニターとして使用する方法
自宅なら目の前にモニターが2つ「どーん!」と鎮座しているのに、外出先ではそうもいかず。
ノートPCの1画面だけだと、別ウインドウの資料を見て→作業して→また別の資料…の往復で、地味に脳みそが削られます。
でも、横に“ちょこっと”でもサブモニターがあるとチラ見で良いので作業効率が一気に上がる。
というわけで今回は、iPadをWindowsパソコンのサブモニターにできないか?を実際にやってみました。
Mac×iPadなら「Sidecar(サイドカー)」が便利ですが、Windows×iPadの場合はひと工夫が必要。
結論から言うと、必要なものは基本的に 「キャプチャーデバイス」とケーブルだけでいけます。
iPadをモニター代わりにするための必須条件
まず大事なのが「そもそも映るiPadかどうか」。
iPadを有線の外部モニター的に使うには、目安として
USB-C端子を搭載し、iPadOS 17に対応しているiPad(2018年以降発売モデル)が対象になります。
iPad Pro(2018年以降)
iPad Air(第4世代以降)
iPad mini(第6世代)
iPad(第10世代)
Windows側は基本的に HDMIポートがあればOK。
もし「USB-Cから映像を出してスッキリ配線したい」場合は、PCが DP Alt Mode(DisplayPort Alt Mode/DP Alt) に対応している必要があります。
USB-C端子があっても、DP Alt非対応だと映像は出ません(形がUSB-Cでも中身が違うやつ…あるある)。
キャプチャーデバイスと接続ケーブルを用意
次に必要なのがキャプチャーデバイス。
これは本来、ゲーム機やカメラの映像・音声を取り込む機器ですが、今回はそれを「iPadで映像を受ける」用途に使います。
価格はピンキリですが、サブモニター用途(資料表示や静的な画面が中心)なら、正直“安いので十分”なケースが多いです。
(動画編集やFPSのような用途でなければ、体感差は出にくい印象)
接続方法は2パターン
接続方法は大きく2種類。お好みですが、方法2の方が配線がスッキリしやすいです。
方法1:HDMIポートを使う(いちばん確実)
PC(HDMIポート)→HDMIケーブル→キャプチャーデバイス(HDMI)→iPad(USB-C)
必要部材:HDMIケーブル、キャプチャーデバイス
方法2:USB-C(DP Alt)からHDMIへ(スッキリ派)
PC(USB-Cポート)→USB-C to HDMI→キャプチャーデバイス(HDMI)→iPad(USB-C)
必要部材:USB-C to HDMIケーブル(orアダプタ)、キャプチャーデバイス
方法1で使うキャプチャーデバイス例
このキャプチャーデバイスは小型で便利。
ただし iPadに給電しながら(充電しながら)モニターとして使いたい場合は、こちらのPD対応タイプが安心です。
HDMIケーブルも用意
キャプチャーデバイスとPCを繋ぐためのHDMIケーブルも用意しましょう。
アマゾンベーシックが安くてコスパ最高です(笑)
もちろん、手元にあるケーブルでOKです。
方法2で使うUSB-C to HDMIアダプター/ケーブル
方法2の場合は、前述のキャプチャーデバイスに加えて USB-C→HDMI が必要です。
ここで注意点がひとつ。
USB-Cポートで映像・音声出力できるWindows PC(DP Alt Mode対応) であることが前提です。
(USB-C端子がある=映像が出る、ではないのでここだけ要チェック)
UVCをサポートするiPadアプリをインストール
iPadに映像を映すにはアプリが必要です。
ポイントは UVC(USB Video Class)対応のアプリを使うこと。
今回は、起動すればすぐ使えて無料の Genki Studio を使いました。
他にもUVC対応アプリはいろいろあるので、お好みでOKです。

GENKI Studio
iPadとPCをキャプチャーデバイス経由で接続
キャプチャーデバイスとケーブルを揃えて、iPadにアプリを入れたら準備完了。
実際に繋いでみます。
方法1:PC(HDMIポート)→HDMIケーブル→キャプチャーデバイス(HDMIポート)→iPad(USB-Cポート)
必要部材:HDMIケーブル、キャプチャーデバイス

方法1:PC(HDMIポート)→HDMIケーブル→キャプチャーデバイス(HDMIポート)→iPad(USB-Cポート)接続方法
方法2:PC(USB-Cポート)→USB-C to HDMIケーブル→キャプチャーデバイス(HDMIポート)→iPad(USB-Cポート)
必要部材:USB-C to HDMIケーブル、キャプチャーデバイス

方法2:PC(USB-Cポート)→USB-C to HDMIケーブル→キャプチャーデバイス(HDMIポート)→iPad(USB-Cポート)接続方法
こんな感じで接続して、iPad側でアプリを起動すれば 自動的に映像が出ます。
あとはWindowsの「ディスプレイ設定」で、
• 複製(ミラーリング)
• 拡張
• 解像度
• ディスプレイ位置(左右どっちに置くか)
を好みに合わせればOK。
iPadに給電しながらサブモニター利用したい!
外で使っていると、地味に気になるのがiPadのバッテリー。
長時間作業するなら、給電しながらサブモニター化したいですよね。
その場合は、PD電源を挿せるキャプチャーデバイスに変えるのが一番シンプルです。
やることは同じで、キャプチャーデバイスを“PD対応タイプ”にするだけ。
デメリットは、ちょっとお高くなるのとサイズが少し大きくなること。
PD対応で繋ぐとこうなる

方法1:PC(HDMIポート)→HDMIケーブル→キャプチャーデバイス(HDMIポート)→iPad(USB-Cポート)+PD 接続方法

方法2:PC(USB-Cポート)→USB-C to HDMIケーブル→キャプチャーデバイス(HDMIポート)→iPad(USB-Cポート)+PD 接続方法
キャプチャーデバイスが若干デカくなりますが、電源を供給できる安心感が強い。
外出先で「バッテリー残量との戦い」をしなくて済むのは安心です。
遅延はどう?個人的には“許容範囲”
サブディスプレイ化で一番気になるのは、やっぱり遅延(レイテンシ)。
キャプチャーデバイスの性能や、表示の設定(解像度・リフレッシュレート)、アプリ側の処理などで差は出ますが、正直 遅延はゼロにはなりません。
ただ、私の用途は
Webページの参照
Excel/スプレッドシート表示
スケジュール・タスク管理
電卓、チャット、資料PDF
みたいなテキストベースの参照が中心。
こういう使い方なら、個人的には十分許容範囲でした。
逆に、マウス操作がシビアなゲームや、映像編集のプレビュー用途だと気になる人は気になるかも。
(そういう用途なら素直にモバイルモニターも検討が吉)
まとめ
Windowsでも、iPadは工夫次第でしっかりサブモニターになります。
ポイントは「USB-CのiPad(iPadOS 17対応)」「キャプチャーデバイス」「UVC対応アプリ」の3つ。
配線の確実性ならHDMI接続、スッキリさせたいならUSB-C(DP Alt)接続。
さらにPD対応のキャプチャーデバイスを選べば、充電しながらの長時間作業も安心です。
ノートPCの作業効率を、もう一段上げたい人はぜひ試してみてください。

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