”タイ政府、タイ国際航空の更生手続き申請へ 救済計画を撤回”というロイターの速報が流れてきました。
以前より経営的には厳しい事は耳にしていましたが、いざ破綻となるとちょっとびっくりしてしまいました。
何しろフラッグシップキャリアであり王室御用達の航空会社ですからね。。
経営的に苦しくてもきっと最終的に何とかするんじゃないかと甘く考えていましたがそう甘くはなかったようです。
目次
とうとうタイ政府の堪忍袋の尾が切れた?
速報によるとタイ政府が国営のタイ国際航空の救済計画を撤回して破産法に基づく会社更生手続き申請を計画していることを本日明らかにしたという事です。
正式には19日に閣議で協議される予定になっています。→(追記)タイ政府が承認をして事実上破綻しました。
一応また先延ばしになる可能性もないわけではないですが、公式に報道官が支援しない!と言っちゃったということでほぼ間違いない状態のようです。
そもそも5月初旬までタイ政府は今回の新コロ対応として581億バーツの融資保証に応じて救済する計画だったようですが、この条件として最大8千人規模の人員削減を柱としたリストラの条件をつけたことで労働組合や利権を持つ政治家、軍関係者からかなり反発が出てもうどうしようもなくなってしまったようです。
で、もうしらん!とタイ政府がサジを投げた格好ですね(笑)
購入済みの航空券やマイレージってどうなる?
まだ再建に向けてのプランがまだ発表されていないので推測なのですが、アメリカのチャプター11や日本の民事再生法のような「再建」を目的とする手続きであれば運行を継続しながら再建を進めることになるので購入済みの航空券やマイレージも大丈夫ということになると推測されます。
→中央破産裁判所の管理下で再建を進めて運航は通常通り継続します。
JALが破綻した時も飛び続けましたしマイルも没収はなかったですし、何度となく破綻しているUAもお客さんが保有しているマイルはそのままでした。
ただ、たまに中堅以下の航空会社が突然死する時は会社自体が「精算」されてなくなってしまうような場合は個別に影響が出てきます。
一応返金まではある程度なされるようですが、そもそも飛ばなくなっちゃうのでどうしようもないです。
今回のタイ航空の処理方法がどのような形になるのか慎重に見守るしかないです。
タイ国際航空の財務の問題点や破綻までの道のり
国営航空の問題点は概ねどこも同じような感じですが、タイ航空の再建への問題点は日経新聞の記事がよくまとまっています。
残念ながらタイ航空は以前より労組が強く利権を持つ政治家や軍関係者が複雑に入り組んでいてこの10年ほど経営が危なかったにもかかわらずほとんど改革が進んでいませんでした。
まるでJALの破綻の時と同じような状況ですねぇ、、(笑)
どの国も国営企業は甘い汁を吸っている人がたくさんいるので(笑)同じような感じになっちゃうんですね。
しかも、、外部から改革するために社長を呼んできてもあまりに利害関係が入り組んでいてすぐに諦めて辞めちゃう(笑)
まぁこの辺はタイの闇の部分ですからなんともコメントしにくいです。
実は5年ほど前にタイ在住のタイ航空の内情を結構細かく知っている友人から危ない状況は聞いていました。
それでもしばらく持ち堪えているなぁ〜と思っていたら今回の新コロ騒動でどうしようもなくなったというのが実際のところだろうと思います。
きっとタイ国際航空は復活する
個人的にはあまり悲観していなくて、これを機にJALのように一回しがらみを精算してしまえばまた復活するんじゃないかと期待している次第です。
折しもタイ経済は以前と比較にならないほど強いですし、まだまだ成長できる底力はありますから大丈夫!タイ航空は復活します!(と信じたい)
そんな経済発展の著しいタイですから自国の長距離国際線を飛ばしているキャリアをなくす事は国益から考えてもあり得ないので、その意味でもタイ航空は復活するでしょう。
再建策はまだ提示されていませんが、A380とかボーイング747とかは即刻売り払われるでしょうね。。。
JALも破綻を機にボーイング747は売り払われてしまいましたしね。。
肥大化した飛行機ラインナップと組織が一気に綺麗になって再出発してより強いエアラインになってくれることを願っています。
個人的には一番危惧しているマレーシア航空はどうなるのか?
今回のタイ航空の破綻の記事を見て頭をよぎったのは、この新コロ騒動で一番気にしているマレーシア航空。
このダメーシア航空!とか散々悪態をついたりもしますが(笑)、愛情の裏返しで実は個人的にはとても好きでよく利用しているんです(笑)
気にしているのは、、9月にバンコク往復、2月にプーケット往復を今年の初めに予約入れちゃってますからねぇ、、それがどうなるのか心配で(笑)
経営が危ないのは新コロ騒動以前の問題で、昨年秋にはJALとかが支援に乗り出すんじゃないかとも言われていましたが、、
そもそもこの状況では自分のところさえ生き残れるかわからないのに他のことを気にしている状況ではない!ということでこれはないでしょうね。
そのほかにもエアアジアと合併するとか、、
噂だけは結構あります。
既に3月下旬にもうだめだ〜とマレーシア航空のCFOもコメント出してますし、、
5月末が結構危ないような気がしていて、政府支援がつかない航空会社の経営破綻が中小・大手を問わずこれから激増するんじゃないかと心配しています。
ただマレーシア航空自体もマレーシア唯一の長距離国際線を持っているフラッグシップキャリアですから国の威信をかけて形はどうであれ生き残らせるはずなんですけどね。。
新コロ騒動で航空業界ははたして生き残れるのか?
まさに100年に一度の、、(最近何度となくこのフレーズを聞きますね、、)災害が全世界的に起こってしまっているわけで、流石にこれに備えができている経営者はどこにもいないでしょう。
ヨーロッパではLCCが既に続々破綻しています。
そりゃ当然で、何しろ運行停止!渡航禁止!入国禁止!ですからねぇ、、
着陸のための上空待機、離陸のための滑走路渋滞が慢性化していた半年前から考えると今ほとんど飛行機が飛んでいない状況が深刻さを物語っています。
飛行機を見るのも乗るのも大好きな身として考えるととても悲しい状況です。
早く自由に飛行機に乗りたいなぁ〜と思う反面、おそらく今までのように気楽に乗れるものではなくなるんだろうなという予感はしています。
航空料金は確実に上がる
新コロウイルスはかなりしぶといです。
ちょっとワクチンができた程度では終息はしないと思います。
LCC編
そもそもLCCは限られたスペースにできるだけお客さんを詰めて安く運ぶことを前提にしているビジネスモデルなので、三密がだめと言われた瞬間にモデルが崩壊します。
飛行機は3分に一回は空気が完全に入れ替わりますし、全員前を向いているので向かい合う事はないので実際は三密ではないのです(実際に今のところ客同士の感染事例はないはず)
しかし!安全を証明できる人がいないのが問題なのです。
そうなるとCAさんの防護服とか客をギュウギュウに詰めない工夫をすると、、コストアップしますから当然航空券の料金は上がります。
フルサービスキャリア編
基本的な構造はLCCと同じです。
幸か不幸かビジネスクラスはここ数年個室かが進んだので出張者の安全を考慮して企業の出張はビジネスクラス指定が進むかもしれません。
しかーし!テレワークが企業間で広がって意外と簡単で便利だという認識ができてきているので、その出張需要自体が消えてしまうでしょう。
個人の旅行は価格勝負ですから高単価の企業需要が消えた時点でフルサービスキャリアって経営が結構厳しいくなると思うのです。
航空会社としては単価を上げないとやっていけないので、ひょっとしてエコノミークラス廃止!でビジネスクラス 以上のみ!なんてことになるかもしれません。
以前それをやった航空会社もありましたがいつの間にか消えましたね、、ただ今は時代が変わったので有りかもしれません。
何しろ今のビジネスクラスは個室仕様ですから安全です(笑)
そうなると値段は確実に上がりますよね、、少なくとも倍以上に。
エコノミークラスが残ったとしても2席で一人がデフォルトになるのかもしれません。
そうなると少なくとも料金は1.5倍にはなりますよねぇ。。
ということで、新コロ騒動が終息してもアフターコロナの時代は気軽にちょっと海外にということはできなくなって、30年ほど昔の海外旅行が憧れの時代に逆戻りしてしまうのかもしれません。
ちょっと寂しい。。
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