先ほどNHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク 第5集 ”脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体」が放映されていましたので見ていました。
このシリーズは私が大学生だったころに初めの放送があって早くもうん十年。月日の経つのは早いものです(笑)
当時もすごい驚きをもってみていましたが、今回も最新の医学の状況を見ることができて非常に面白い番組です。
NHK自体は不信感は強いのですが、まぁたまには良い番組も作るようです。
最後には現在問題になっている「認知症」につながる「アルツハイマー治療薬」についても触れていて、ひょっとしたら人類はアルツハイマー病や認知症すらも克服できるかも?というバラ色の未来を示していましたが、個人的には若干不安になりました。
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Contents
認知症の特効薬ができるのか?
アルツハイマー病になるメカニズムの一部はわかっていて、ある原因物質が脳内の神経細胞を壊すことで記憶がなくなっていくことがわかってきています。
その原因物質を薬で除去しようとしても、脳内の仕組みで今まで薬を脳の中に届けることができなかったのだけど、人体の精巧な仕組みを逆利用して治療薬を脳の中に入れてアルツハイマー病の原因となる物質を除去しよう!というのが番組の内容です。
うーん、確かに素晴らしい発想だし医学の進歩には目を見張るものがあります。
認知症は社会問題ですし、直観的には素晴らしいことだと思います。
が、ふと気になることが少しあります。
果たして認知症にならないことが幸せなのか?
もちろん自分も周りの人も認知症やアルツハイマー病にならないことが一番であると思いますし、それを治療できることは素晴らしいことだと思います。
若年性アルツハイマー病で次第に記憶を失っていく人、高齢で認知症になって徘徊する老人、、などなど悲劇は後を絶ちません。
そのような悲劇を止めるためにも治療薬は人類が待ち望んでいる薬であることは間違いありません。
「認知症」は人類が長生きした時の為の意識遮断装置?
若年性のアルツハイマー病は別にして、加齢による認知症についてちょっと考えてみます。
そもそも人間の寿命は100年前後であるとも言われています。
医療の発達していなかった頃は人間の平均寿命も50歳~60歳ぐらい。
ちょっとした病気でも亡くなる人が多かった時代です。
今では50歳~60歳なんてまだピンピンしています(笑)それだけ人間の寿命が延びたのですね。
ただし肉体の衰えはどうしても年齢には逆らえなくて、80代、90代になるにつれてもうどうしようもなくなります。
それでも最新医療では「生きることができてしまう」のです。
それでも最後まで生きて老衰で眠るように死を迎える、、、のが一番BESTの終わり方なのですが、そのように亡くなることができる人も少ないように思います。
どこかしら体が悪くなって病院に収容されて、体を動かすこともできず外出もできずずっとそのまま寝ているしかない、、
死ぬこともできなければ自由に動きまわることもできない、、ひょっとしたらそんな事態に陥ったことを人間の体が察知して、脳の機能を停止させる「自爆装置」のスイッチを人間の体が自動的に入れるのかもしれません。
つまり、「認知症」自体が人類が長生きしすぎた為に体と意識の乖離が発生した時に発動するときの意識遮断スイッチの働きをしているように思えるのです。
最後の時まで自分の意識がはっきりしている中で私は死ねるのか?
もし仮に私が数十年後に肉体が老化に耐えられなくなって自分では動けなくなった時に、意識がはっきりしていたら、、それは考えるだけで恐怖なのです。
個人的には自分でご飯が食べられなくなった時点で自分の寿命と考えてそのまま即身仏のようにすーーっと天寿を全うしたいと思うのですが、、
果たしてその時に意識がはっきりしていたとして、その選択をするかというのは疑問です。(もしかしたら往生際がわるいかもしれません)
だとすれば、記憶が自動的になくなっていく方が本人的には幸せなのかもしれません。
当然周りの人はいい迷惑なのですが(笑)
もしアルツハイマー病の特効薬が普通に使われるようになったら、、、
もし数年のうちにアルツハイマー病の特効薬ができて、完治できるようになったらどうでしょう。
難病とされる若年性アルツハイマー病の方には朗報ですし、医学の勝利であると思います。
まだ若いうちに命を落とすこともなく、人生を続けることができるのですから素晴らしいことです。
老齢でも体がまだまだ元気で動き回れる人にとってアルツハイマー病の薬があれば意識なく徘徊することもなくなり元気に過ごすことができますから朗報です。
体が元気なのに「認知症」の為に徘徊して周りに迷惑をかけることもないので素晴らしいことでしょう。
しかし、老齢になって体を動かせない状態で自分の意識や記憶がはっきりとしていたら、、
そりゃ、家族にとっては会話ができるだけでも救いになるでしょう。
ただ、本人にとってはどうなんでしょう。
体は動かせない、意識や思考力はある、、、そうなった自分がまだ想像できないのと、少し怖い気がするのです。
もし体が動かせなくなってしまったのであれば、楽しい記憶とともにすーっと消えてしまって欲し気がするのです。
アルツハイマー病の特効薬と尊厳死の法律はセットで!
もしアルツハイマー病の特効薬ができて、記憶や思考力が最後まではっきりしている時代が来るのであれば、是非自分の最後は自分で決めることができるように「尊厳死」やそれに準ずる法律をきちんと整備しておく必要があると思っています。
老化は誰にでもやってきますし、人間の致死率は誰にも平等に100%です。
若い人が命を絶つのと100歳を超えて寝たきりで意識はっきりの人が死を選ぶのでは意味合いが全く違うと思うのです。
自然の動物は自分の死が近くなるとひっそりと目につかないところで死を迎えます。
人間も同様に自分の死が近づいたと気が付いた時に、もちろん自然に死を迎えることが天寿を全うできるという意味では一番良いのですが、死ぬこともできない世の中になっていますから、自分でその選択ができるように社会がサポートすることも重要ではないかと思います。
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